2025年に行われた第39回韓国数学オリンピック高等部1次審査の第2問の証明を書いてみました.
問題
公式サイトより抜粋
問題.
次の三つの条件をすべて満たす正の整数の順序対\((a_1, a_2, \dots, a_8)\)の個数を\(1000\)で割った余りを求めよ.
(i) 各\(i \ (1 \leq i \leq 7)\)について,\(a_i+a_{i+1}\)は偶数である.
(ii) 各\(i \ (1 \leq i \leq 6)\)について,\(a_i+a_{i+1}+a_{i+2}\)は\(3\)の倍数である.
(iii) 各\(i \ (1 \leq i \leq 8)\)について,\(a_i \leq 12\)である.
証明
与えられた条件をすべて満たす正の整数の順序対\((a_1, a_2, \dots, a_8)\)を,\(a_1\)の値を仮定して求める.
条件(i)により,\(a_1\)と\(a_2\)の偶奇は一致し,かつ条件(iii)より\(a_2\)の値は\(6\)通り.
また,条件(i), (ii)より,すべての\(i \ (1 \leq i \leq 6)\)について以下の2式を満たす.
$$\begin{align}
a_{i+2} &\equiv-a_{i+1} &\pmod 2 \tag{1}\\
a_{i+2} &\equiv-a_i-a_{i+1} &\pmod 3 \tag{2}
\end{align}$$
中国剰余定理より,(1), (2)式を満たす\(a_{i+2}\)は,\(6\)を法として一意に定まる.また,\(1\)から\(12\)のうち,\(6\)による剰余が一致する整数は\(2\)個ずつ存在する.
それゆえ,\(a_3, a_4, \dots, a_8\)はそれぞれ値が\(2\)通りに定まる.
以上の議論は\(a_1\)の値に依らないので,求める正の整数の順序対\((a_1, a_2, \dots, a_8)\)の個数は,
$$12 \times 6 \times 2^6 = 4608$$
ゆえに,\(608\).
感想
どの問題も解が\(1000\)以上の場合は\(1000\)で割った余りを書けと書かれているっぽいです.

コメント