2025年11月に行われた第36回日本数学オリンピック予選の第4問の証明を書いてみました.
問題
公式サイトを参照
証明
辺\(BC\)に平行な切れ目によって長方形\(ABCD\)を切ったときに,辺\(AB\)が\(m\)個に分割され,できる線分の長さをそれぞれ\(w_1, w_2, \dots, w_m\)とする.(\(m\)は正の整数)
辺\(AB\)に平行な切れ目によって長方形\(ABCD\)を切ったときに,辺\(BC\)が\(n\)個に分割され,できる線分の長さをそれぞれ\(h_1, h_2, \dots, h_n\)とする.(\(n\)は正の整数)
また,\(W=AB=\sum_{i=1}^{m} w_i\),\(H=BC=\sum_{j=1}^{n} h_j\)とする.
切れ目で長方形\(ABCD\)を切り離した時,どの相異なる2つの長方形も合同ではないことから,
- \(w_1, w_2, \dots, w_m\)はそれぞれ相異なる.
- \(h_1, h_2, \dots, h_n\)はそれぞれ相異なる.
- \(w_i = h_j\)なる正の整数の組\((i, j)\)(\(1 \leq i \leq m, 1 \leq j \leq n\))は高々1つである.
上の3つの条件を満たすような\((w_1, w_2, \dots, w_m, h_1, h_2, \dots, h_n)\)のうち,\(W+H\)が最大となるものの1つは,
$$\begin{align}
w_1 = 9 &, \ h_1 = 9 \\
w_2 = 8 &, \ h_2 = 7 \\
w_3 = 5 &, \ h_3 = 6 \\
w_2 = 4 &, \ h_2 = 3 \\
w_3 = 1 &, \ h_3 = 2
\end{align}$$
また,このとき\(W+H=54, \ WH = 729\)である.
ここで,相加相乗平均の関係から,
$$\begin{align}
WH &\leq (\frac{W+H}{2})^2 \\
&\leq (\frac{\max{(W+H)}}{2})^2 \\
&= (\frac{54}{2})^2 \\
&= 729
\end{align}$$
よって,先ほど述べた\((w_1, w_2, \dots, w_m, h_1, h_2, \dots, h_n)\)の組は,\(WH\)としての最大値をつくる.ゆえに長方形\(ABCD\)の面積としてありうる最大の値は\(729\).
解説
まずは,小長方形がどれをとっても合同ではない.という条件を
- \(w_1, w_2, \dots, w_m\)はそれぞれ相異なる.
- \(h_1, h_2, \dots, h_n\)はそれぞれ相異なる.
- \(w_i = h_j\)なる正の整数の組\((i, j)\)(\(1 \leq i \leq m, 1 \leq j \leq n\))は高々1つである.
と読み取ることが最初の難関です.
これが分かったら,長方形の面積が大きくなるためには辺の長さが長いに越したことはないよな,と考えます.すると,切れ目の間隔は縦横混ぜると\(9, 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1\)かな,と考えます(9だけ1個多くてよい).
これよりも辺の長さの和が大きくなることはないはずです.そして,\(W+H\)が固定されると考えると,相加相乗平均で\(WH\)を上から抑えることができます.
そうしたら,等号成立条件を満たす具体例を構成出来たらOKです.

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